まんが「ここで生まれたことがある」

2024年7月 anon press 掲載のまんが「ここで生まれたことがある」の再掲です。

タイトル「ここで生まれたことがある」
ツインテールの女の子がのぞき込んでいる絵
座り込んでいる女の子。頭にはドーナツみたいな大きな輪っか。
「わたしのおうちどこかわからなくなっちゃった」砂場に座る女の子。後ろには小さいゾウが紐を引いて台車を引っ張っている。
「砂つぶも少ししかない」女の子の足元。
「これでも使いな」ちいさいゾウが言う。
「これなあに」台車に乗る女の子。「台車さ」ゾウが答える。
ゾウ「おうちがどこか探すのさ」
急に周りの植物が迫ってきた。「森が茂るじかんだ!」「逃げよう」
「ちぢこまってきた!」「いそいそ」急ぐふたり。
「ポリスにいこうか」逃げるふたりの後ろ姿。
「こにちは」ポリスのまえに立つ女の子。
「すみません、ゾウ落としました」逃げているあいだにゾウを見失った女の子。
「はいどうぞゾウ」ポリスが渡してきたゾウはさっきのゾウと少し違う。
「すこし違うような」
「返します」「だめだめ、ゾウは触ったら返せない」
「しらないゾウもらっちゃった」ポリスの建物を出る女の子。
「わたしのおうちどこ」白ごはんなどが売っている歓楽街をあるく女の子。
「何か飛んできた」丸いものが空からたくさん飛んでくる。「光の胞子さ」ゾウが言う。
「きらきらできれい」
「台車に集まってくる」「これで旅に出られるね」「なぜ?」
「わたしのおうち」遠くをみつめる女の子。「光の胞子ひとつください」という声。
「ぼくは髪の毛うしろまえ星人」「どうも」
「こんなの何に使うんですか」光の胞子をひとつ渡す女の子。「ひみつさ」かみのけうしろまえ星人はお金を渡す。
「じゃな」電車に乗り込む星人。「光の胞子を売っちゃった」女の子はお金を持っている。「電車のろうぜ」ゾウが言う。
「まもなく発車します!」「わあ閉まる」台車をもって駆け込み乗車する女の子とゾウ。
「ピアノがいっぱいある」電車の中にはグランドピアノがたくさんあった。
「ここにでも座ろう」グランドピアノの下に座り込むふたり。
たくさんの手が伸びてきた。「光の胞子くださいな」「わあ」
「なにに使うの」「持っているといいことがあるのさ」
「降りよう。私のおうち」台車と光の胞子を持って電車を降りる女の子。
電車を降りるとたかいところに出た。「高いところだ!」
「わたしのおうちどこかな」階段の柵のまえに立って街を眺める女の子。
「お金だけがある」手のひらの上のコイン。
コインを足元に落として、腕で顔を覆う女の子。「うう、わたしのおうち、わたしの」
「わたしのおうち、どこ!」女の子が叫ぶと口からたくさんの光の胞子がゴボゴボ出た。光の胞子には一文字ずつ、わ、た、し、の、お、う、ち、ど、こ、と書かれている。
「光がうまれた。こわい」光の胞子は空に飛んでいく。
「わたしのわたしのおうちどこ、が」「わたしの、わたしのおうちどこ、が」
「階段の風、すずしいな」柵のあいだから足を投げ出して座る女の子。
とおくへ飛んでいった光の胞子。
「ママ 元気かな」ずっと遠くへ飛んでいく光の胞子たち。